長所、強み

デボーターは、過去の成功や失敗から学びを得て、より合理的かつ戦略的な判断を素早く下せることが強みです。過去の事例と類似した状況に直面した際には、リスクを最小化したうえで、最適な解決策を導き出してチームに貢献しようとします。解決までに多くの時間と労力を要する複雑な問題に直面した際にも、隠れた問題点をリストアップしたりフレームワークを用いたりすることで、迅速に解決策を導き出し、即座に行動に移す姿勢が特徴です。
良好なコミュニケーションを図るため、メンバーが自分の意見や懸念を自由に表現できる環境を整え、信頼関係を深めます。達成すべき目標がある時には、自分の能力やリソースを最大限に活用して、成果を追求します。「顧客を喜ばせる」といった曖昧な目標に対しても、意欲的に取り組むことができるでしょう。

短所、弱み

デボーターは、基本的に調和を大切にしますが、結果を重視しすぎるあまり周囲との関係や自分の労力をないがしろにしてしまうことがあります。ストレスやプレッシャーを過度に感じすぎず、仕事を抱えすぎないように心がけることが必要です。しかし目標達成の意欲は高いため、自分の許容量を把握することで、理想とする姿に近づけるでしょう。
自分の役割を果たすために粘り強く業務に取り組みますが、前例を大切にしているため、これまで積み重ねた経験を捨てて新しい取り組みを始めることに抵抗があるかもしれません。新たな運用方法やアプローチ方法を取り入れる際、変化の必要性やメリット・デメリットを合理的に考えることで、デボーターの強みがさらに発揮されるでしょう。

キャリア観

デボーターがキャリアを築く際に重視することは、他者への貢献と目標達成です。責任感を持って仕事に取り組み、メンバーに対して思いやりを持ち良好な関係を維持する中で、自然と成果が認められることを望みます。そのため教育・指導の役割や、専門性を高める業務の際に、特に能力を発揮します。
自分自身が目立つ役割ではなく、他の人の成長や安心感を促進させることを求めます。このような特性は、他者の感情を敏感に読み取る仕事や、几帳面かつ地道さが求められる分野で、充実したキャリアを築けるでしょう。デボーターの強みが発揮される職業の例として、秘書、ウェディングプランナー、プロジェクトコーディネーター、カスタマーサポートなどが挙げられます。常に人に優しく接し、皆にとって有益な状況を作るために熱心な働きが求められる役割において、彼らの強みが生かされることでしょう。

やる気につながる仕事

デボーターの仕事のやる気の源は、チームワークの良さはもちろん、他者の評価と達成感にあります。自身の貢献が認められることや賞賛されることで、さらなるモチベーションを得ることができます。顧客やチームメンバーの喜び、感謝の言葉などを直接見聞きすることによっても、十分な達成感を得られるでしょう。またチーム内で協力し合い、共通の目標に向かって一致団結している環境で得られる、周囲に貢献しつつ努力できている充実感が、最も大きなモチベーションとなります。
新しいスキルや知識の習得など自己研鑽に励むことによっても、達成感が深まります。自分の努力がいずれ他者や社会への貢献につながると考えることで、仕事に対するモチベーションが高まるでしょう。チームメンバーを支えることや、顧客に貢献することなど、他者への働きかけが求められる環境で、やる気が保たれます。

ストレスの原因

デボーターは、これまでの経験や知見に基づく決定を重視するため、急激な変化や新しい環境への適応が求められる際にストレスを感じやすいです。特に未経験の状況においては、これまでの経験や知識、スキルを駆使して適応することが難しく、不安感を引き起こすことがあります。
またデボーターはチームにおける調和を非常に重視するため、人間関係が悪化している職場環境では十分に能力を発揮することができません。逆に、明確な序列や役割分担がある環境においては、安心感を持ちやすく、より快適に感じることがあります。忠義を大切にしているため、現在の職場に問題がある場合でも、転職を考えることに対して後ろめたさを感じることがあるでしょう。しかし、自分の能力が適切に評価される職場に身を置くことができれば、その潜在能力を最大限に発揮することが可能となり、自身の成長や他者貢献に繋がるでしょう。

対人関係

周囲との協調を大切にし、体験や経験を重視するため、同じく良好な人間関係を大切にするメンバーとの相性がいいと言えます。勝利を目指してチームを団結させるユナイターや、皆のモチベーションを高めつつ信頼関係を重視するモチベーターとも協力しやすいです。周囲との調和を保ちながら、メンバーの結果や成果を求める論理的な思考を持つ人々とも、協力的な関係を築くことができます。
自身の経験や知識に根ざした鋭い洞察をもとに、決断力でチームを導くマスターとの協働においても、効果的なパートナーシップを築くことができます。チームメンバーが互いに理解し合い、共に目標を達成しようと励む人々と良い関係を築くことができるでしょう。

このタイプと一緒に仕事をする時の注意点・ポイント

デボーターが部下の場合

デボーターの部下は、周囲と同じ目標に向かって、協調・協力しながら作業を進めることに価値を感じています。彼らの能力を引き出すには、具体的な目標や業務内容を分かりやすく伝えることが求められます。「この行動をしてくれたおかげで、目的を達成することができたよ。ありがとう！」など、部下の行動に対して感謝を伝えることが、彼らのモチベーションを高める鍵です。
彼らのエネルギーを活かすには、期待している行動と、その目的を明確に伝えることが効果的です。また、仕事を振り分ける際には、ガイドラインなど明確な指針を与えることを心がけてください。ただ自由を与えるよりも、部下は仕事に取り組みやすいと感じるでしょう。

デボーターが上司の場合

周囲との協力を重視するデボーターの上司と働く際、オープンなコミュニケーションを保つことが大切です。不明点だけでなく少し気になる点や、共有した方が良いかもしれない内容についても細かくコミュニケーションを取ることで、上司との信頼関係が高まるでしょう。「この作業が必要だと考えていますが、進める方向でよろしいでしょうか？」など、積極的に仕事を見つけてチームに貢献する姿勢を示すことも効果的です。
上司が持つビジョンや自分に与えられた役割を理解することが、円滑な職場関係を築く重要な鍵となります。メンバーとの無駄な対立は避けて、周囲の意見を尊重し、自分に要求されていることを理解したうえで力を発揮することが必要です。

デボーターが同僚の場合

デボーターの同僚との協働では、チーム内での助け合いやコミュニケーションを促進することが重要です。グループの和を保ち、協力的な文化を築くことで、彼らは役割を果たしやすくなります。共同作業を好むデボーターが、書類整理のような単純かつ単独で行う作業を長時間しなければならない際には、精神的な負担を軽減するため、積極的に声をかけることがよいでしょう。「とても大変そうだね、これ手伝おうか？」など、同僚を気遣う声掛けが効果的です。
意見交換を行う際には、彼らの経験や感性を大切にすることが必須です。彼らに意見する際や批判する際には「否定された」「嫌われた」などと思われないように、言葉遣いに十分配慮する必要があります。